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■カスタムが前提? 懐かしさと最新技術が融合した"ネオ・クラシック"
昨今のネオクラシック・ブームはどこから来ているんだろう。そもそもネオ・クラシックとジャンル分けされるバイクたちはどんなモノかと言うと......。60〜70年代のモデルをイメージとした、クラシカルなフォルムに最新の技術を搭載したモデルのこと。ざっくりといったらこんな感じなのだが、フルカウルがなかった時代のスピードを追求したフォルム、ベーシックなカウルを纏わないロードバイク=ネイキッドモデルに分類される。
例えば、ずっと変わらない永遠のスタイルを持ち、不動の人気を誇るYAMAHAの「SR400」やトライアンフの「ボンネビル」や「スラクストン」、KAWASAKIの「W800」などは、以前からそのスタイルを貫いている代表的なモデルといってもいいだろう。
そして、昨年頃から、BMW motorradの「R nine T」、DUCATIの「スクランブラー」など、ネオ・クラシックといわれる新しいモデルが海外メーカーから登場しはじめ、その波がどんどん広がっていきそうな様相を見せている。
まず、Hondaからコンセプトモデルとして大阪モーターサイクルショーにて世界初公開した「Concept CB Type Ⅱ」。空冷のCBの新たな方向性を提案するモデルとしての展示となり、レーシングストライプや、ハンドルマウントのミラー、シングルシートカウルなどをあしらったカフェレーサースタイル。
そして、市販予定として参考出品された「CB1100 <ABS> Special Edition」(4月18日に発売開始)。
黒に白のストライプやチェッカーフラッグのような格子柄などをタンクにあしらって、こちらもクラシカルな雰囲気を表している。伝統の空冷CBをクラシカルにカスタマイズすることによって、また新しいスタイルを楽しんでみようということなのかもしれない。また、前回紹介した「VTR Customized Concept」もネオ・クラシックなスタイル!
YAMAHAからは "Neo Retro" ロードスポーツとして「XSR900」が国内初お披露目。
YAMAHAでは、ネオ・クラシックではなく、ネオ・レトロと謳っているところが興味深い。「MT-09」がベースとなったレトロなスタイリングが特徴となっている。見た目を味わいのあるレトロ風に仕上げながらも、トラクションコントロールや、アシスト&スリッパークラッチといった最新技術を融合させ、扱いやすさを向上。
「かつてのヤマハを知るベテランライダーはもちろん、直感的に本質を感じとる若いライダーにも楽しんでもらえるように、デザインもパフォーマンスもピュアに造り込んだ "ノスタルジック" ではなくて "オーセンティック" なモデル。」と、懐古ではなくヤマハの本質や正統を「XSR900」に託している。
ということで興味津々に跨がってみたが、残念ながら両足が着地せず。シート高が830mm とちょっと高め。とはいえ、大げさに腰をずらさなくても確実に片足が付くので、そこまで不安は無いかもしれない。
4月15日から発売が開始され、ヤマハ発動機創立60周年記念モデルとして、伝統的なレーシンググラフィックである、黃色と黒のスピードブロックをあしらった "インターカラー" を纏った「60th Anniversary」も期間限定で受注販売される。
なんと、SUZUKIからもネオ・クラシックなコンセプトモデルが展示されていた。海外向けのニューモデル「SV650」をベースとした「SV650 RALLY CONCEPT」だ。
カフェレーサー風でありながらもフォグランプやヘッドライトカバーといったラリーの仕様を装備。
SUZUKIならではの、ネオ・クラシックな解釈が "らしく" て、個性的でかっこいい。個人的にはカタカナであしらわれた「スズキ」と「ラリーコンセプト」の文字がツボ。SVはここまでカスタムできる、という素敵な見本となったが、こちらも是非市販して欲しい!
そして、ネオ・クラシックの元祖のひとつといえるトライアンフの「ボンネビル」を含めたトラディショナルなシリーズ。2016年モデルから水冷エンジンを搭載し新しく生まれ変わったことで注目を集めているモデルだ。
1200ccに排気量アップされた「ボンネビルT120」、すでに発売が開始されている、ニューモデルの「ストリートツイン」、そして5月から投入予定のカフェレーサー「スラクストンR」。インスピレーションキッドというさまざまなカスタムパーツを用意し、オーナーが独自のスタイルを表現できるような提案がなされている。
そう、ネオクラシックスタイルというのは、カスタムも楽しめるモデルが多く、個性的なスタイリグに仕上げられるのも特徴だ。昨年発売されたDUCATIのスクランブラーも、すでにさまざまなカスタムが発表されているが、東京モーターサイクルショーにて際立っていたのはこの一台。
DUCATIをはじめ、bimota、VYRUS、AVINTON、EBR、Metisseといった、プレミアムなバイクを展開するモトコルセのコンプリートカスタムモデル「SRC 803HC」だ。
DUCATIの800ccのスクランブラーといえば、カフェレーサーやダートトラック風なカスタムが多く見られるが、それとは一線を画し、こちらはクラシックなミリタリースタイルに仕上げられている。フレームからタンク、ホイール、フェンダー、エンジンカバーからメーターケースまでありとあらゆる車体のすべてがカーキ色に塗装され、シンプルなスタイリングながらも異彩を放ちつつ、ストレートの2本出しサイドアップマフラーが強烈なインパクトを与えていた。
DUCATIやトライアンフなどでは車名となっている「スクランブラー」とは、もともと1960年代に登場した、オンもオフも走ることのできるバイクのジャンルのことで、オンもオフもなかった時代に、オフロードに特化したカスタムを施したバイクのことを表している。なので、昔のバイク事情に詳しく、今のバイク事情には疎くなってしまっている方からしたら、DUCATIのスクランブラーといったら単気筒の小排気量バイクを思い出す人が多いかもしれないし、映画「大脱走」でスティーブ・マックイーンが華麗に柵越えをした、トライアンフの「TR6 トロフィー」を思い出すのかもしれない。
ネオ・クラシックというジャンルは、さまざまなスタイルの可能性を示唆してくれる。バイクに乗るスタイルの多様性に合わせて、変化させることができるのは、そのモデルが生まれた背景や歴史などから、ストーリー性が感じられる普遍的なスタイリングであるからこそ。速さだけを追求する世界と違い、ライフスタイルと楽しむもうひとつの世界。盆栽バイクと言われてもいい、趣味性の高い乗り物だからこそ、こういったネオ・クラシックバイクで、自分だけの個性を生み出してみてはいかがだろう?
【ギャラリー】Motorcycleshow2016 Neoclassic84
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気になるモデルはどれ? キーワードで見る「第43回東京モーターサイクルショー」その2 originally appeared on Autoblog Japan on Thu, 21 Apr 2016 06:00:00 EDT. Please see our terms for use of feeds.
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